東京土産と言えば、昔は雷おこしで、いまは東京ばな奈なんだそうですが、煎餅もまた東京人の好物の一つであります。
 昔はどこの商店街にも1、2軒は煎餅屋があったもので、なんと言うんでしょうか、木枠にガラスをはめたショーケースに煎餅を入れて、ずらっと並べておりました。その上に大きな金魚鉢にアルミのふたをしたようなガラスの壺があって、そこにも煎餅が入れてある。堅焼きのような大きい煎餅は一枚いくらで、小丸煎餅はハカリ売りが原則。
 こういう煎餅屋はたいてい木造で照明が暗い。店員がお客さんを待っているなんてこともめったにありません。奥へ声を掛けると、たったいままで煎餅を焼いていたかのような前掛けをした年配のご主人か、割烹着を着たおかみさんがよっこらしょと出てきます。いたって愛想のわるいもので、「堅焼き10枚? あいよ」ってな塩梅で紙袋に入れてくれます。最近ですな、ポリエチレンの袋に入れるようになったのは。
 そんな昔ながらの煎餅屋さんがいまの時代に生き残って行くのは苦労なことです。代わってスーパーやコンビニで売っている袋入りが幅をきかすようになりました。しかしあの袋入りの煎餅というもの、中にはうまいものもありますが、商品の差別化をしようとするためか、妙な味付けをしているものが少なくありません。ああ、まともな塩煎餅が食いたい、と煎餅好きはつくづく思うのであります。
 そのようないまの東京に生き残っている煎餅屋さんを紹介しようというのがこのサイト。と申しましても東京に煎餅屋さんが何軒あるか・・・。とりあえず煎餅屋が多いと言われている谷根千と浅草に地域を限ってスタートしてみました。
 ここではそれぞれのお店の簡単な紹介と、東京の煎餅の典型であり、どの店でも一番力をいれている堅焼き醤油煎餅をご紹介することとしました。磯辺(海苔)、砂糖、ざらめ、小丸なども捨てがたいのですが、それは追々ということにいたしましょう。
 それぞれの煎餅の特徴には触れますが、ラーメン屋サイトのような主観的な食味の批評はできるだけ控えたい。不味いのは願い下げですが、いろいろな煎餅の味があってしかるべきで、そこに量産袋詰めにない味があるのですから。
 それでは谷根千の煎餅屋にはこちらから、浅草の煎餅屋にはこちらからお出でください。上のそれぞれのロゴをクリックしても行くことができます。

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